赤と黒の集い

RED AND BLACK COORDINATION

文/赤峰幸生 Essay by Yukio Akamine
写真/織田城司 Photo by George Oda

かつてプロディースを手がけ、勝手知ったる広尾のイタリアンレストラン「ラ・ビスボッチャ」で気軽な集いがあったので、お気に入りの赤と黒でコーディネイトで出かけた。コーディネイトはその日の天気よりも気分で選ぶことが多い。防寒具には赤黒チェックのヴィンテージコートに黒いマフラーを選んだ。

スーツはダブルのグレー無地というドレッシーなアイテムを選びながら、インナーには赤いセーターと赤黒のチェックシャツをノーネクタイで合わせ、決めすぎない気軽な雰囲気でバランスをとった。

視覚に訴える配色には、永年かかって定着した王道があり、図版や紳士服もこれを巧みに使う。赤と黒の組み合わせもそのうちのひとつで私のお気に入りの配色のひとつだ。

この赤黒のチェックシャツは、5年位前にパリのシャルベで手に入れたものだ。好きな赤黒配色に加え、細かい綾地の表情が冬のセーターや上着とマッチすると思った。日本の市場でははなかなか見られない色と素材の組み合わせも魅力であった。

自分の好きな配色を意識して、ふだんからシャツやネクタイ、カフリンクス、ポケットチーフなどを集めていると、コーディネイトが楽しくなる。

自分の好きな配色を見つけるためのヒントは、自分が格好いいと思った映画スターの着こなしや本の表紙など、身の回りにあるもの全てが対象となる。ある意味、そこから自分を発見することなのだ。