The Home of Tweed~Hawick,Scotland〈Part 3)
文/赤峰幸生 Essay by Yukio Akamine
写真/赤峰幸生 織田城司 Photo by Yukio Akamine George Oda
今から35年ほど前、神田須田町にあったシャツ地問屋の社長から、「アパレルメーカーが私の夢、それに力を貸して欲しい」と頼まれて、考え抜いた結果、羊毛のルーツ、スコットランドに行けば何かがわかると思い立ち、エディンバラからホーウィックに向かった。
街の真ん中をTweed River(ツイード川)が流れ、川沿いに並ぶニット工場は、プリングル、ウイリアム・ロッキーなどの名門メーカーばかり。
知り合いの紹介で訪れたアイランドニット(Island Knit)は10名程度の小さな工場で、最後の仕上げ工程で使われているアザミ(Thistle)が何千本もビームに埋め込まれブラッシング(起毛)する様子を見たとき、ピンと来た。シンボルマークはアザミにしよう。
また、地元のBarで初めて飲んだスコッチウイスキーがGlenmorangie(グレンモランジー)だった。このパッケージがえらく気に入って書体のいわくを聞いたところ、スコットランド伝統の書体であると言う。さっそくホテルでブランドの命名となり、GLENOVERが誕生した。
Glen(渓谷)を越えると決意した、思い出深い地がホーウィックであった。