COMPANION OF MY WINTER WAIK
文/赤峰幸生 Essay by Yukio Akamine
写真/織田城司 Photo by George Oda
最近はもっぱら山歩き、河原歩き等、この時季にしか味わうことの出来ない枯葉の色を楽しんでいる。
柿の葉、ケヤキ、樫、カエデなど、日毎に緑から薄オレンジから黄、赤と変化していく様は、まさにドネガルツイードの色ネップのように色のヒントを与えてくれる。
それを探しながら草っぱらに座っては、陽だまりの中で読書をしたり、スケッチをしたりと、絶好の暇つぶしをしているのだ。
これまでは、近所の多摩川から鎌倉山、金時山、高尾山などの冬の山歩きといえば、BARBOUR(バブアー)に世話になりっぱなし。
いまから23年ほど前、ミラノのRAVIZZAというハンティング用品専門店で手に入れた。定宿であったHotel Maninに持ち帰り、べったり付いているオイルを少しだけ落そうと、熱々のシャワーに投じたものの、不覚にもそのままベッドに横たわり、気付いたのは明け方の5時。それから陰干しすること3日間、ワックスは程よく落ちてくれた。
BARBOURは英国貴族の暇つぶしスポーツであるハンティング、クライミング、トレッキング等に欠かすことのできないアイテム。ヨーロッパの冬の街中や郊外では見慣れたスタイルである。
私のBABOURも、何回となく草っぱらでの私の尻敷きになってくれて、ようやく味が出始めた。
尻敷きバブアーは、ある時は寒さをしのぎ、ある時は犬の散歩着となり、ある時はレインジャケットと、これからも末長くお世話になるだろう。