文/登地勝志 Essay by Katsushi Tochi
第84回アカデミー賞 作品賞が「アーティスト」に決まった。
第1回受賞作「つばさ」以来の、白黒でサイレントというフランスの異色作品だ。
あらすじを読むと、アカデミー賞が発足したころのハリウッドが舞台で、サイレント映画に固執し続ける俳優が主人公の物語だ。
現在のハリウッドは3Dなど、ハイテクな大作映画が量産されているが、初心にかえれというフランス人の風刺に思えた。
時代が変わっても、やはり映画の核は人間ドラマだと再確認した。
もうひとつ付け加えると、映画自体を発明したのもフランス人だった。