OLD JAPANはいつの日か?

写真・文/赤峰幸生 Photo & Essay by Yukio Akamine

18世紀後半の英国産業革命後、ヨーロッパやアメリカに強い影響を与えたブリティッシュスタイル。男女を問わず、TPOに合わせた服の楷書体というべく基本スタイルが確立された。OLD ENGLANDは今なお、パリのど真ん中で楷書体(クラシック)を守りつつ存在する唯一の店と言っても過言ではない。

創業が1867年だから144年間、アメリカ南北戦争の頃、日本も明治維新後、パリ同様にブリティッシュスタイルを写実しつつ近代国家に変わっていったが、1945年の敗戦後文化の軸がアメリカ一辺倒となり、様々なスタイルが略式化してしまった。

今回のパリ出張で世界で最も古い百貨店ボンマルシェにも立ち寄ったが、3階の特設会場では「SO LONDON」をテーマに英国展が催されていた。

一目、フランスとイギリスは水と油のように見えるが実は伝統を重んじる軸足は両国とも全くブレずに共通点が多い。軸足(文化の基本)を崩すことなく、現代を咀嚼するスタイルの構築は我ら日本人が持つ素晴らしき江戸様式(スタイル)と明治文化が合体出来たら世界に誇れるOLD JAPANが出来るのではないか?

経済も含め迷い道に入った時は原点に戻る事と思いつつサンジェルマンデプレの純粋な日本そば屋圓でもり蕎麦に舌づつみしながらホテルに戻った。

日本もまだ捨てたものではない素晴らしい文化が残っているのだから。