写真・文/登地勝志 Photo & Essay by Katsushi Tochi
高倉健。若いころから、私が最も敬愛している俳優である。
今年は6年ぶりの主演映画が秋に公開されるようである。
1月30日の朝日新聞文化面に、「高倉健 80歳の心境を語る」というインタビュー記事があった。
その中で共演俳優の大滝秀治について、こう言っている。「ぼくが何十回台本を読んでも、何も感じずにいたセリフを大滝さんが話すと、1字も変えてないのに意味が出てくる。そろそろ俳優をやめなきゃいかんなと考えていた時期でしたが、まだまだ一生懸命やろうと思いました」
先輩(ちなみに6歳上)の深い演技に引退を思い直し、再び役者魂に火がついた、との記事であった。
実は私も20年前、スタッフとして健さんのテレビドラマに参加したことがあるが、健さんの気配りのある紳士的な態度は昔から全然変わらない。
80歳を迎え、年齢を重ねたからこそ出せる人生の陰影を演じてほしい。