スーツという伝統的な服

文/登地勝志 Essay by Katsushi Tochi
写真/平田元吉 Photo by Motoyoshi Hirata

スーツという伝統的な服は、総じて若い人には似合うものではありません。

贅肉のない若々しい肉体と、スーツにネクタイというスタティックな様式は、本来整合しにくいものです。

なぜならば、男の洋服とは「オトナが着る」というコンセプトで成り立ってるからです。

そしてそれは、先達が長い時間をかけて練り、失敗を繰り返し、最適化を目指した結晶のようなもの=ベーシックな洋服であると断言できます。