夏の支度

SUMMER TALK EVENT AT MARUNOUCHI,TOKYO

写真・文/織田城司 Photo & Report by George Oda

ゴールデンウイークを目前にした4月24日、オンワード樫山の紳士服ブランド「五大陸」と紳士服飾雑誌「アエラスタイルマガジン」が共同で夏の装いを語るファンとの交流イベントが丸の内で開催されました。

今回の会場は東京駅から近い皇居外苑和田倉濠に隣接した日本生命丸の内ガーデンタワー2階の森の香りをコンセプトにしたバー・ダイニング「SCENT HOUSE(セントハウス)」

会場の一角には「五大陸」の春夏物が展示され、クリエイティブディレクターの大圃祐二氏がコレクションを解説。今シーズンのテーマは「アフロキューバン」スペイン風の建物や古いアメリカの車などが混在するキューバの街なみをイメージして、ヴィンテージの風合いを現代的にアレンジした天然素材を使い、茶系をベースにしたスーツやジャケットをクローズアップしている。

今期の「五大陸」ブランドの解説をする大圃祐二氏

会場ではこのほか、イメージソースとなったキューバの写真やレコードなども展示され、モヒートなど、キューバのお酒が振る舞われるなか、キューバの老ミュージシャンたちのドキュメンタリー映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(ヴィム・ヴェンダース監督1999年作)が上映され、シーズンの気分が体感できる演出が展開された。

上映後は、服飾ディレクターの赤峰幸生氏を交え、「アエラスタイルマガジン」の山本晃弘編集長と大圃祐二氏が、夏の装いについて語るトークショーが開かれた。

トークショーの中で、赤峰幸生氏は、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』に映るキューバの街なみには、「時が止まっている素晴らしさ」があるとして、時を経た物が持つ表情の魅力を解説。

山本編集長から『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』に出ているミュージシャンのコンパイ・セグンドは、撮影当時92歳だった、と話しかけられた赤峰氏は、「では、私も、あと35年はいけるな」と語り、会場をわかせた。

山本晃弘編集長(左)と赤峰幸生氏

夏服の素材については、「機能が付いて無いのが、最高の機能」として、古くから親しまれている天然素材の着心地の良さと涼感を強調。

最後は、「この仕事で約40年、やはりクラシックの道を極めていくしかない、と思っている。ジェントルマンの着こなしは、1930年代と1950年代に完成した。その姿は、当時の映画を観ると、一番よくわかる。皆さん何気に服を着ると言うけれど、服はやっぱり『着込んでナンボ』長く着込んで、その人の風格がにじんで、味が出るのが、一番の格好良さですよね。皆さんもぜひ、味が出てくるように、服を着込んでいただきたい」とまとめた。